- 悪徳業者の手口がわかる
- 悪徳業者の手抜き工事の例がわかる
- 信頼できる業者の選び方がわかる
外壁塗装を検討している方の中には悪徳業者に騙されたくないと考えている人も多いでしょう。
事実として外壁塗装業者の中にはリフォーム詐欺をおこなったり、悪質な工事や営業をおこなっている業者も多いので十分注意して業者選びをおこなう必要があります。
そこで今回は悪徳業者に騙されないために「悪徳業者が使う手口5選」「手抜き工事の例」「信頼できる業者の選び方」まで解説します。
この記事を読めば外壁塗装の知識がない方でも悪徳業者を避けて優良業者を選ぶことができるでしょう。
なお、当サイトでは近年急増するリフォームトラブルから身を守れるように塗装工事の教科書「失敗を避ける塗装工事 7つのポイント」を無料プレゼントしています。
リフォームトラブルから身を守るためにもぜひ読んでおくことをおすすめします。
外壁塗装に悪徳業者が多い理由と存在する意味
外壁塗装に限らずリフォームの被害相談件数は年々増加しています。
国民生活センターによるとPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に登録された訪問販売による被害相談件数は以下のとおりです。
年度 | 2020 | 2021 | 2022 |
相談件数 | 8,786 | 9,753 | 10,076 |
この相談件数の中でも特に多いのが外壁塗装の被害相談なんです。
まずはなぜ外壁塗装に悪徳業者が多いのか解説していきます。
- 開業に資格が不要
- 工事内容がごまかしやすい
- 定価がなく適正価格の判断が難しい
開業に資格が不要
実は外壁塗装の開業には資格が不要なので誰でも開業ができてしまうんです。
建設業法では請負金額500万未満(税込)の塗装工事を請け負う場合には塗装工事業許可は不要です。
おおよそ一般的な戸建住宅の塗装工事であれば請負金額500万未満になるので許可なく営業することができます。
誰でも参入できる業界だからこそ悪徳業者も参入してきてしまうというわけです。
資格がないだけで一概にスキルや知識を持っていないとは言い切れません。
資格なしで営業している優良業者も存在します。
工事内容がごまかしやすい
塗装工事は表面さえ綺麗に整えれば手抜き工事を見抜くのが非常に難しいです。
よほどの手抜き工事でない限り2〜3年程経たなければ不具合は起こりません。
外壁塗装では目に見えない作業を丁寧におこなうことで耐久性の高さに繋がります。
悪徳業者は塗装後すぐに不具合を起こりづらいことを利用して手抜き工事で利益を得ようとするんです。
このような業者は実際に不具合が起きた時に連絡しても連絡が繋がらなかったり、対応してくれない可能性が非常に高いので注意する必要があります。
定価がなく適正価格の判断が難しい
外壁塗装では建物一軒一軒に合わせて職人が手作業で工事をおこなうため定価は存在しません。
外壁塗装では住宅の状態や大きさにより都度見積もりをおこない価格を決定するのが基本です。
悪徳業者は外壁塗装工事が一般の方に価格が判断しにくいという特性を利用して、見積もり内容を水増しして高額な請求をしたり、見積もり通りの工事をおこなわずに利益を得ようとします。
外壁塗装で悪徳業者が使う手口と特徴5選
次に外壁塗装の悪徳業者が使う手口と特徴を5つに絞って解説します。
これらの手法を知っておけば騙されるリスクを低減することができます。
- いきなり訪問販売に来て不安を煽る
- 即日契約を強制してくる
- 50万円以上の高額値引きを提案
- 25年〜30年持つオリジナル塗料を提案
- 一式など曖昧な見積もりを提示する
いきなり訪問販売に来て不安を煽る
悪徳業者に非常に多い営業手法が「訪問販売」です。
そして悪徳業者は訪問販売をおこなう中で以下のように消費者が不安を感じる言葉を使います。
このままでは雨漏りが起きたり、家が腐食して大変なことになりますよ!
外から見ていると外壁にヒビが入っています!
近所で現場をやっているのですが職人がマズい状態と言っています!
不安を煽ることで工事しないといけないと思わせる手口です。
さらに不安を煽るだけではなく、信頼してもらうために「善意で伝えにきている」感を出すのも特徴になります。
外壁や屋根が今日急に劣化したり、雨漏りが進行することはありませんのでその場で契約するのは絶対にやめてください。
他の業者に相談したみたら大したことなかったというのが大半ですので、焦らずに別の業者にも相談してみましょう。
即日契約を強制してくる
悪徳業者はこの場で契約するよう「即日契約」を強制するケースが非常に多いです。
中には「契約できるまで帰りません」と居座る悪徳業者もいるのでお断りしているにも関わらずそれでも帰らない場合はすぐに警察などに連絡するようにしてください。
即日契約を求めるうえで「今日契約してもらえればさらに値引きできます!」などのトークを使うケースもあります。
お得感に乗せられて騙されないように注意しましょう。
50万円以上の高額値引きを提案
悪徳業者は高額な値引きを提案して興味を引こうとするケースが非常に多いです。
今日中に契約してもらえれば値引きしても良いと会社に許可をもらっています!
この地域では初めての工事なのでモニター価格で提案できます!
近隣で使っている足場を使いまわせるので足場代無料でできます!
サイトに掲載させていただければさらに値引きできます!
基本的に外壁塗装工事では家の状態に合わせて見積もりをおこなう以上、真っ当に見積もりをしていればそれほど大きな値引きはできません。
まともな業者の値引き率
工事金額の数%
※一般的な外壁塗装の見積相場は90万円〜120万円程度のため、値引き交渉がうまくいって3万円〜5万円程度の値引率になるでしょう。(最初から値下げ込みの価格を提示している優良業者では数%すら難しいケースもあります。)
大幅な値引きをできるということは最初から高額な料金を提示しているか、必要な工事を削減して利益率を高めているということですので騙されないようにしてください。
25年〜30年持つオリジナル塗料を提案
悪徳業者は耐用年数が長い(25年〜30年)オリジナル塗料を提案してくる傾向にあります。
- 成分や期待される耐用年数の確認が難しいから
悪徳業者が扱うオリジナル塗料は通常の塗料と同等の品質の場合でも誇大な耐用年数を宣伝され、塗料の価値に見合わない高額料金を要求される可能性があります。
オリジナル塗料全てが悪いわけではありませんが、根拠のない高耐久性のオリジナル塗料を提案してくる場合は警戒してください。
オリジナル塗料以外にも国内大手メーカーの塗料を提案してもらうようにしましょう。
一式など曖昧な見積もりを提示する
悪徳業者は見積もりを詳細に記載せずに「一式」などの曖昧に記載を使います。
◇正しい見積もり記載
外壁 下塗り材1回目○○塗料 ○○㎡(面積)×○○円(単価) ○○円(合計)
上塗り材1回目○○塗料 ○○㎡(面積)×○○円(単価) ○○円(合計)
◇曖昧な見積もり記載
外壁 上塗り○○塗料 ○○坪○○円 ○○円
外壁塗装工事 一式
見積書に工程の詳細や数量、単価などが具体的に示されていない場合は悪徳業者の可能性を疑うようにしてください。
なお、一式といった曖昧な見積もりで契約してしまった場合は以下のようなトラブルに発展する可能性があります。
- 必要な工程が省かれていて追加料金が発生した
- 塗料が仕様通りに施工されていない
一式という記載が多用されている見積もりが出てきた場合は工程ごとに数量や単価が詳細に記載された見積もりを取得してください。
外壁塗装で悪徳業者がおこなう手抜き工事一覧
次に外壁塗装で悪徳業者がおこなう手抜き工事の一覧を紹介します。
- 下地処理がおこなわれていない
- 塗装回数が守られていない
- 塗料を薄めて使用する
- 塗料を乾燥させずに重ね塗りをおこなう
下地処理がおこなわれていない
外壁塗装において非常に重要な工程が「下地処理」です。
どれだけ優秀な塗料を使ったとしても下地処理を怠ってしまうと塗料が定着せずにすぐに剥がれてしまいます。
下地処理の段階でひび割れの補修もしておかなければ外壁自体の劣化に繋がってしまうので注意が必要です。
なお、下地処理は上から塗料を塗ってしまうことで確認することができないため、非常に手抜きしやすいポイントになります。
施工写真などでしっかりと下地処理がおこなわれているか確認するようにしてください。
塗装回数が守られていない
悪徳業者は塗り回数を守らずに工数や材料費を浮かせようとする傾向にあります。
塗装工事は基本的に「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回塗りでおこないます。
ただし、塗料の進化により、下塗り不要、中塗り不要の製品も登場していますので一概に3回塗りになるわけではありません。
また、下地の状態によっても4回塗りが必要になる場合もありますので、住宅の状態と使用する製品によって判断することになります。
特に中塗りと上塗りでは同じ塗料が使われるため、作業が終わってからだと何回塗装をしたのか判断することが難しいです。
作業中や施工報告書で適切な回数塗装されているのか確認するようにしましょう。
メーカーの規定通りに塗り回数をおこない、厚みを作らなければ塗料本来の性能が発揮されませんので塗り回数の手抜きは必ず注意して確認してください。
塗料を薄めて使用する
悪徳業者は塗料を薄めて使用する傾向にあります。
なお、塗料を薄めることで業者側には以下のメリットがあるんです。
- 材料費が安くなる
- 粘度が下がるため塗りやすくなる
- 塗りやすいため作業時間が短縮される
- 作業時間を短縮することで人件費が浮く
規定を守らずに塗料を薄めてしまうと本来の性能が発揮できないどころか塗装の剥がれにつながるので注意が必要です。
塗料を乾燥させずに重ね塗りをおこなう
塗料には乾燥時間が定められており、乾燥時間を守らないと塗料の密着性が悪くなり塗膜の厚みが十分に得られなくなってしまいます。
塗膜の厚みが十分でなければ塗膜のふくれやはがれの原因になります。
また急激な色あせが発生するケースもあります。
塗料をしっかり乾燥させるためには時間が必要です。
乾燥時間を短縮することで工期を短縮することができ、人件費も浮かせることができるので悪徳業者は乾燥時間を守らない傾向にあります。
外壁塗装の悪徳業者を見抜くための契約前に確認すべきこと
ここまでで悪徳業者の手口と手抜き工事の例を解説しました。
次にここまで学んだ内容を活かして悪徳業者と解約しないために必ず確認して頂きたい事項を解説していきます。
- すぐに契約をしない
- 時間をかけて事前点検をしているか
- 地域での実績があるか
- 見積書が詳細に記載されているか
- 適正な年数の保証書が付いているか
すぐに契約をしない
悪徳業者とのトラブルを避けたいのであればすぐに契約しないということです。
訪問日や現地調査日、見積もり提出日に契約しないようにしましょう。
優良業者であれば契約を急かすことはありませんが、悪徳業者であれば契約を急かしたり3日以内、1週間以内と期限を設けます。
一度契約を持ち帰ることで業者の対応をみることができるので騙されるリスクを低減することができます。
時間をかけて事前点検をしているか
住宅の状態を正しく診断するためには時間をかけた事前調査が必要です。
中にはドローンを使って調査をする業者もいるほど、事前調査は厳密におこなわれます。
いきなりやってきてロクに調査もせずに「家が大変なことになっていますよ!」などと言われた場合は悪徳業者と判断しても良いでしょう。
地域での実績があるか
悪評や口コミは広まりやすいので悪徳業者が同じ地域で営業を続けるのは難しいです。
口コミを元に地域での実績があるのか確認しておくことでその業者が悪徳業者なのかを判断することができます。
なお、当サイトでは業者別にリアルな口コミをまとめていますので、興味があれば参考にしてみてください。
見積書が詳細に記載されているか
見積書が詳細に記載されているのか確認するのはもちろんですが、口約束をせずにやってほしい内容は書面に残すようにしてください。
- 高圧洗浄する範囲
- 塗装する範囲
書面に残しておくことでトラブルを避けることができますので、見積もりや契約書に明記してもらうことをおすすめします。
適正な年数の保証書が付いているか
口約束はトラブルに繋がりますので、保証書は必ず書面で発行してもらうようにしてください。
また保証年数については適正があります。
- 塗料の耐用年数の半分程度
耐久性10年の塗料に対して10年の保証がある、などオーバートークに騙されず適正な保証期間なのか判断するようにしましょう。
そもそも悪徳業者であれば保証があるといいつつ数年後に廃業しているケースもあります。
廃業していれば保証書も意味がなくなりますので、業者の見極めは非常に重要です。
外壁塗装の業者選びは相見積もりが必須
ここまで外壁塗装の悪徳業者について解説してきましたが、そもそも外壁塗装を検討するのであれば「相見積もり」をおこない複数業者から話を聞くのが基本です。
相見積もりを取ることで、
- 提示されている価格、施工内容が妥当なのか?
- 担当者は信頼できる対応をしてくれているのか?
を比較して判断することができます。
塗装を検討している方は相見積もりをして比較検討して見ましょう。
なお、以下のサイトであれば手軽に外壁塗装業者を比較することができるのでぜひ使ってみてください。
悪徳業者と契約してしまった時の対処法
最後に悪徳業者と契約してしまった時の対処法を解説しますので、悪徳業者に騙されたかもしれないと不安に思っている方は参考にしてください。
- クーリングオフ制度を利用する
- 国民生活センターや消費者センターに相談する
クーリングオフ制度を利用する
特定の条件を満たせばクーリングオフで違約金なしで解約をすることができます。
クーリングオフができるケース
- クーリングオフが可能な内容が記載された契約書を受け取ってから8日以内
- 契約者側が電話やメールで問い合わせをして業者を呼んでいない場合
- 契約者が業者の事務所、店舗に訪問していない場合
- そもそも契約書にクーリングオフの注意書きをしていない場合
- 契約書をもらっていない場合
基本的にクーリングオフは訪問販売による契約トラブルから消費者を守るための仕組みです。
そのため、訪問販売や電話営業で契約をしてしまった場合には適用されますが、自身で業者に問い合わせをおこない検討を重ねたうえで業者の店舗で直接契約をおこなったという場合には適用されませんので注意してください。
国民生活センターや消費者センターに相談する
国民生活センターや消費者センターでは様々なトラブルの無料相談に応じてくれます。
相談先 | 電話番号 | 受付時間 |
消費者ホットライン | 188(全国統一) | 窓口により異なる |
国民生活センター | 03-3446-1623 | 平日10時〜12時、13時〜16時(年末年始除く) |
なお、クーリングオフの期限を過ぎたり、国民生活センターや消費者センターが対応できない場合は弁護士に相談するのも1つの手です。
弁護士費用がかかってしまいますが、業者に対して交渉してくれます。
ただし、弁護士であれば誰でも良いわけではなく分野によって得意・不得意があるので依頼する前にその弁護士が過去にリフォームに関する案件を対応しているか確認してください。
消費者センターには悪徳業者一覧のリストがある
特定商取引法ガイドは特定商取引法を違反した業者を掲載しているサイトです。
特定商取引法ガイドを見ることで悪徳業者を確認することができます。
特定商取引法は、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律です。
具体的には、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールとクーリング・オフ等の消費者を守るルール等を定めています。
一例として当サイトで埼玉県の処分事例について検索してみたところ4件確認できました。
- 株式会社リオテック
- SEIRYO株式会社
- 石渡株式会社
- 株式会社FRONTOP
悪徳業者か悩んだ際は確認してみることをおすすめします。
【まとめ】外壁塗装の悪徳業者が使うたった一言に注意しよう
今回は外壁塗装における悪徳業者の手口を詳しく解説しました。
悪徳業者は不安を煽って高額な費用を要求したり、セールストークを使って契約を迫ります。
たった一言でも今回の記事で解説したようなトークを使った場合は契約をしないように注意してください。
騙されるとお金も時間も無駄にしてしまいます。
なお、悪徳業者に騙されないためにはは1社で決めずに2〜3社で相見積もりを取ることが必要です。
相見積もりを取ることで、
- 提示されている価格、施工内容が妥当なのか?
- 担当者は信頼できる対応をしてくれているのか?
を比較して判断することができます。
塗装を検討している方は相見積もりをして比較検討して見ましょう。
なお、以下のサイトであれば手軽に外壁塗装業者を比較することができるのでぜひ使ってみてください。